【この記事でわかること】
「便秘には水をたくさん飲めばいい」
多くの人がそう聞いて、
毎日意識して水を飲んでいるのではないでしょうか?
それでも、
・しっかり飲んでいるのに出ない
・便が硬いまま変わらない
という人はとても多いのが現実です。
実は最近の研究では、
便秘は水分不足だけでは説明できない問題であることがはっきりしてきています!
結論:便秘は「水分だけ」で起こるものではない
最新の食事管理ガイドラインでは、
「従来の便秘対策は「水分と食物繊維」に偏りすぎており、他にも効果がある食事戦略が見落とされてきた。」
と指摘されています。
これは、便秘が単一の原因ではなく複数の要因が絡む状態であることを意味します。
この考え方は、British Dietetic Association が2025年に発表した、慢性便秘の食事管理ガイドライン【1】で明確に示されています。
なぜ水を飲んでも便秘が改善しないのか?
理由①:腸を動かす力が弱いと水だけでは足りない
便を外に運ぶのは、腸の「ぜん動運動」と呼ばれる動きです。
どれだけ水分があっても、
・長時間座りっぱなし
・運動不足
・生活リズムの乱れ
があると、腸はうまく動きません。
水は便を柔らかくする“補助役”であって、腸の動きが主役なのです。
理由②:便の材料そのものが不足している
便のかさを増やす最大の要素は食物繊維です。
水だけ増えても、
・野菜・豆類・全粒穀物が少ない食事
・加工食品中心の生活
では、そもそも便が十分に作られません。
この点も、先ほどのガイドライン【1】で強調されています。
理由③:体は水を便より先に重要な場所へ使う
体内に入った水分は、
血液、臓器、体温調整などに使われます。
そのため、
・軽い脱水状態
・ストレスが多い生活
・体調不良
があると、便に回る水分は後回しになります。
「飲んでいるのに便が硬い人」は、この影響も考えられます。
科学的に見た便秘は“多因子の問題”
最新の便秘研究では、
・水分摂取
・食事内容(特に食物繊維)
・運動量
・生活習慣
を同時に考慮して評価するのが標準です。この多因子モデルをもとに作られたのが、先ほどの最新ガイドラインです。
「水だけで治そう」とする発想がうまくいかない理由
| よくある考え | 科学的な現実 |
|---|---|
| 水を飲めば出る | 水だけでは不十分 |
| 便秘=水不足 | 便秘=複数要因 |
| 水が主役 | 主役は腸の動き+食事 |
じゃあ、どう考えるのが正解?
便秘改善では、
・水分
・食物繊維
・生活習慣
・腸の動き
をセットで整えることが重要です。
どれか一つだけ頑張っても、改善しにくいのが現実なのです。私も便秘気味で痔の手術経験があり、痔の予防を色々と試し、いくつかの予防方法を組み合わせて実践して結果を出しております。(油断してたまに、便秘気味になることはあります💦)
まとめ
・水分は大切だが万能ではない
・便秘は単一原因ではない
・食事と生活習慣が大きく関わる
「水を飲めば治る」という考えは、今では科学的に不十分です。
参考文献
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12517116
1.British Dietetic Association Guidelines for the Dietary Management of Chronic Constipation in Adults
J Hum Nutr Diet. 2025 Oct 13;38(5):e70133. doi: 10.1111/jhn.70133
【筆者プロフィール】
臨床工学技士として医療機関に勤務。統計学の知識を活かし、国内外の論文(PubMed)を参照しながら、科学的根拠に基づく健康情報を発信しています。
自身も慢性便秘の改善経験があり、実体験と研究データの両方から記事を執筆しています。


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