交絡因子とは何か?研究結果は「ヒント」にはなるが「答え」でない⁉

便秘と食物繊維

交絡因子とは?
研究で「原因」と「結果」の関係をわかりにくくしてしまう、別の要素のことです。
便秘の研究では、食物繊維・水分・運動などが交絡因子になることがあります。
信頼できる研究ほど、こうした要因を考慮したうえで分析しています。

交絡因子(こうらくいんし)とは?

「本当の原因が何なのかを、わかりにくくしてしまう“別の要素”」のことです。
研究の結果を読むときに、「それ、本当にその理由だけ?」と立ち止まるための大切な考え方です。

便秘の話で考えてみます

こんな研究結果があります。(BMC Gastroenterology(2024) 24:455【1】)
「フラボノイドを多くとっている人ほど、便秘が少ない」
一見すると、「フラボノイドをとれば便秘が改善する」
と言えそうですよね。

しかし、次を少し考えてみてください。

フラボノイドを多くとる人の生活

フラボノイドは、主に野菜・果物・お茶等に多く含まれています。
これらをよく食べる人は、たいてい…

・食物繊維も多くとっている
・水分摂取量が多い
・生活習慣が比較的整っている

便秘が少ない理由は、フラボノイドではなく「食物繊維」や「水分」かもしれません。

このとき、食物繊維や水分が「交絡因子」になります。

交絡因子があると、何が問題?

交絡因子を考えずに結果を見ると、本当は別の理由なのに「これが原因だ」と勘違いしてしまうことがあります。

アイスクリームが売れると、溺れる事故が増える

これは事実ですが、アイスが溺れさせているわけではありません。
暑い → アイスが売れる
暑い → 海や川で遊ぶ人が増える
本当の理由は「暑さ」です。
この「暑さ」が、交絡因子です。

よって研究では「調整」をします

「便秘に関係しそうな他の要素を、できるだけ考慮したうえで分析」を行います。
BMC Gastroenterology(2024) 24:455【1】では、色々な交絡因子で調整をしていて、「こんな因子も便秘に関係があるの?」と初めて読んだとき、ビックリしました‼

BMC Gastroenterology(2024) 24:455【1】で扱われている交絡因子(便秘に関係している)の話は、近いうちにさせて頂く予定です。

それでも「100%正しい」とは言えない

とても大切なことですが、「どんな研究でも、交絡因子を完全になくすことはできません。」
上記に載せたように、数字にできない要素は必ず残ります。
そのため研究結果は、
参考になるけれど、絶対ではない
「ヒント」になるけれど「答え」ではない
と受け取るのが正しい姿勢です。

このブログで大切にしたいこと

このブログでは、
「研究結果をそのまま信じ込ませる」
「これを食べれば治る。と断定する」
ことは致しません。上記の通りで、そもそもできません。
(ここまで読んでくださった皆様にはお分かりだと考えます)

「今わかっていること」と「まだわからないこと」を、できるだけ誠実に伝えることを大切にしています。

このブログで紹介している研究は、多くの要因を考慮して分析されていますが、
すべての生活習慣や体質の違いまで完全に反映できるわけではありません。
研究結果は「傾向」を示すものであり、
特定の食品や成分が症状を必ず改善することを保証するものではありません。
体調や症状に不安がある場合は、まず医療機関への相談をお勧め致します。

まとめ

・交絡因子とは「本当の理由を見えにくくする別の要素」
・便秘の研究では、交絡因子が沢山ある
・信頼できる研究ほど、交絡因子を考慮して分析している
・ただし、研究結果は「絶対」ではなく「参考」として読むことが大切

参考文献

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11654161
1.Evaluating the relationship between dietary flavonoids intake and constipation incidence in the general US population
BMC Gastroenterology(2024) 24:455

【筆者プロフィール】
臨床工学技士として医療機関に勤務。統計学の知識を活かし、国内外の論文(PubMed)を参照しながら、科学的根拠に基づく健康情報を発信しています。
自身も慢性便秘の改善経験があり、実体験と研究データの両方から記事を執筆しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました